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2019.10.08イベント

映画『エンジェルサイン』スペシャルトークショー開催!

10月5日(土)、映画『エンジェルサイン』のスペシャルトークショーを熊本市内にある鶴屋百貨店で行いました。これは熊本復興支援を目的に、10月2日(水)から6日(日)にかけて開催された第3回熊本国際漫画祭のチャリティーイベントとして、『エンジェルサイン』先行試写会とともに企画されたもの。この5日間にご協力いただいた募金は、映画の製作委員会より、ロケ地となった南阿蘇鉄道に寄付されます。

トークショーの登壇者は5名。全5編のオムニバス映画を構成する一編であり、南阿蘇を舞台とした『別れと始まり』に出演した緒形直人さん、菊池桃子さんを始め、落合賢監督(『別れと始まり』を監督)、総監督の北条司、映画を企画した堀江信彦(配給元:株式会社ノース・スターズ・ピクチャーズ代表)と豪華な顔ぶれ。司会はテレビ熊本アナウンサーの西村勇気さん、アシスタントは熊本出身の女優・坂井彩香さんが務めました。
5名それぞれの視点で作品が語られた約40分。今回のレポートでは、トークショーとその後に実施したメディア取材の内容を一部ご紹介します。


左から堀江信彦、北条司総監督、緒形直人さん、菊池桃子さん、落合賢監督。全150席の会場は満席となる盛況でした。

 

出演を決めた理由、台詞のない役について

『別れと始まり』に出演し、台詞のない難役に取り組んだ緒形さんと菊池さん。二人の共演については、「初共演から30年近く、何度かご一緒してきた仲。これまでもおたがい惹かれ合う役が多かったので、今回も阿吽の呼吸で夫婦役を演じられました」と、緒形さんと菊池さんは目を合わせて微笑みました。

緒形さんは、自身の演技の原点にはテレビドラマ『北の国から』や映画『優駿 ORACION』で受けた杉田成道監督の教えがある、と語りました。それは、演技は心を伝えるものであり、たとえ台詞がなくても表現し伝えなければならないというもの。それがあったから、今回の台詞のない役も引き受けようと思った、とのお話でした。
また、今回の演技の参考になったものとして、良寛和尚の書で見た言葉「君看双眼色(きみみよそうがんのいろ) 不語似無憂(かたらざればうれいなきににたり)」を引用。この言葉にあるように、瞳だけで心を伝える、大げさではない演技をイメージしていたことを明かしました。

一方、菊池さんの出演理由は、新しいことに取り組む意欲と喜びでした。キャリアを重ねるほど新たなチャレンジをする機会は減るため、今回の役は貴重と思い引き受けたとのこと。
偶然にも、ロケ地となった阿蘇白川駅にあるカフェは、かつてこのお店のドキュメンタリー番組が製作された際、菊池さんがナレーションを担当したご縁があったそう。この駅で実際にカフェを営む、緒形さんと菊池さんのモデルとなったご夫婦からおもてなしを受けるなど交流があり、そのことも役作りの参考になったようです。

『別れと始まり』を撮ったのは、熊本を何度か訪れたことがあるという落合監督。「堀江社長からこの映画のお話をうかがい、舞台となる南阿蘇の風景を観にすぐに熊本に飛びました」。オムニバス映画の一編のため、全体の流れに沿うよう、「北条総監督とのコミュニケーションを密に取りながら撮りました」と説明しました。

 

この映画で伝えたかったこと

この映画を企画・立案した堀江は、「誰にでも、かけがえのないものを失ったことがあるはず。そんな人に観てほしい」と語ります。それを受けて北条総監督は、「生があって死がある。死があって生がある。そうやって命が受け継がれていく感覚。それを表現できればと思いながら撮りました」と話しました。
また、「1つの流れにするためにオムニバスの各編を編集してつなげましたが、各監督への敬意を表し、ノーカット版のweb公開を予定しています」と堀江。北条総監督も、「1つの作品としてそれぞれ完結しているので、ノーカット版も観てもらいたい」と話しました。
さらに、北条総監督は、オムニバス作品を一つにまとめる上で難しかったことにも言及。「よいオムニバス映画を作るためには、絵コンテの段階から各監督と一緒に作らなければならないことがよくわかりました。こちらで絵コンテを作って、『はい、これでお願いします』で撮ってもらえるわけではないと学習しました(笑)」

 
次回作は? との問いには、「流れのままに(笑)」と自然体の北条総監督。今回の映画を企画・立案した堀江は、「次は台詞があってもいいと思っている。柔軟に発想し、発信していきたい」と今後の構想を語りました。

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